目次
概要
ブギーボード BB-17、ブギーボード BB-15。紙に近い感覚で素早く書いて、必要な時にスッと消せる電子メモの定番として知られる2機種に対して、ペーパリー スターターセット BB-18M-S2Aは「使い始めからの整った体験」に焦点を当てた構成が魅力です。日々の走り書き、会議の下書き、家事のToDo、学習の反復など、用途が曖昧なままでもすぐに馴染む導線が用意され、取り回しや保管のしやすさまで含めて“道具としてのまとまり”を感じます。書線の見やすさや筆記のリズムは、軽快な入力と消去のメリハリが心地よく、立ったままでも机上でもストレスが少ないのが印象的。対してBB-17やBB-15は、シンプルさや携帯性のバランスに長所があり、使う人の習慣に合わせてミニマルに運用しやすいスタイルが光ります。今回の比較では、メモの量が増える人ほどBB-18M-S2Aの“まとめやすさ”が効いてくる一方、頻繁に出し入れする場面ではBB-17/BB-15の軽快さが活きるという棲み分けが見えてきます。まずは、どんなシーンで何を残したいのかを思い浮かべてみてください。必要十分に書けて、必要十分に消せる、その境目の気持ちよさがどの機種でいちばんあなたの毎日に合うのか——続きを読むほどに輪郭がはっきりしていきます。
比較表
| 機種名(固定文言) | Improv Electronics ブギーボード ペーパリー スターターセット BB-18M-S2A | ブギーボード BB-17 | ブギーボード BB-15 |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 画面サイズ | 8.5インチ | 8.5インチ | 8インチ |
| 解像度 | 不明 | 不明 | 不明 |
| 入力方式 | スタイラスペン | スタイラスペン | スタイラスペン |
| 消去方式 | ワンタッチ全消去 | ワンタッチ全消去 | ワンタッチ全消去 |
| 部分消去機能 | あり | なし | なし |
| 保存機能 | あり(専用アプリ連携) | なし | なし |
| 電源方式 | コイン型リチウム電池 | コイン型リチウム電池 | コイン型リチウム電池 |
| 電池交換 | 可能 | 可能 | 可能 |
| 本体サイズ | 約218×148×5mm | 約221×146×5mm | 約210×140×5mm |
| 重量 | 約110g | 約120g | 約115g |
| カラー | ブラック | ブラック | ブラック |
| 材質 | ABS樹脂 | ABS樹脂 | ABS樹脂 |
| 付属品 | スタイラスペン、専用カバー | スタイラスペン | スタイラスペン |
| アプリ連携 | あり | なし | なし |
| 筆圧感知 | あり | あり | あり |
| 書き心地 | 紙に近い質感 | 滑らか | 滑らか |
| 耐久性 | 高い | 高い | 高い |
| 厚み | 約5mm | 約5mm | 約5mm |
| 使用温度範囲 | 0〜40℃ | 0〜40℃ | 0〜40℃ |
| 保証期間 | 1年 | 1年 | 1年 |
| 発売年 | 2023年 | 2021年 | 2019年 |
| シリーズ | Paperリー | スタンダード | スタンダード |
| 持ち運びやすさ | 軽量で専用カバー付き | 軽量 | 軽量 |
| 操作性 | 直感的 | 直感的 | 直感的 |
| 環境配慮 | 紙削減に貢献 | 紙削減に貢献 | 紙削減に貢献 |
| 対象ユーザー | 学生・ビジネス | 学生・一般 | 学生・一般 |
| 携帯性 | 高い | 高い | 高い |
| デザイン | シンプル | シンプル | シンプル |
| 書き換え回数 | 約5万回 | 約5万回 | 約5万回 |
| 厚紙対応 | 不可 | 不可 | 不可 |
| 専用ケース | あり | なし | なし |
| ペン収納 | あり | あり | あり |
| 持続時間 | 長寿命 | 長寿命 | 長寿命 |
| 安全性 | 高い | 高い | 高い |
| 操作ボタン | 消去ボタン | 消去ボタン | 消去ボタン |
| 画面保護 | 専用カバー付属 | なし | なし |
| 用途 | 学習・ビジネス・メモ | メモ | メモ |
比較詳細
「ペーパリー スターターセット BB-18M-S2A」は、従来のブギーボード像を軽やかに裏切ってくる存在だ。薄さとしなやかさが第一印象を決定づける。紙の束に紛れても違和感がなく、専用スリーブに収めて案件ごとに色分け管理できる構成は、ワークフローへ自然に溶け込む。スタイラス側で消去する仕立ては片手運用に向き、机上で資料をめくりながら一筆メモ→即消去→新規メモを滑らかに続けられる。書き味はサラッと軽く、筆圧に応じて線がすっと太さを変え、走り書きでも読み取りやすいニュアンスが残る。ラフスケッチやチェックリスト、要点抽出など、思考のスピードを落とさずに記録する用途にハマる。マグネット貼り付けで視界に置けるのも小さな効率化だ。使い込むほど「紙の延長」という感覚が育ち、デバイスを意識しない。
BB-17は片手持ちに適した盤面サイズで、右下のERASE操作系が明快だ。フレームがしっかりしていて、手のひらで支えながら書いてもたわまない。立ったままのメモ、移動中のアイディア捕捉、現場での簡易図解に強い。コイン電池で淡々と消去回数を稼げる安定感があり、ボディ一体型の安心感と「書いて消す」のリズムが崩れない点が魅力だ。走り書きの速さに負けないレスポンスがあり、線のコントラストもくっきり出る。私の体感では、俯瞰図や工程メモを一枚に集約するときの見通しがよく、机から離れても使い勝手が落ちない。何度も全消去を繰り返しても扱いが変わらず、習慣化しやすい。
BB-15はブギーボードらしいベーシックな使い心地が核にある。必要十分な盤面とシンプルな消去の流れが、道具としての従順さをつくる。フレームの剛性は日常使用にちょうどよく、ペン先の当たりはややしっとり寄り。会議のメモ、電話中の伝言、日次タスクの箇条管理といった定番シーンで、迷いのない操作系が安定した書記体験を支える。私はデスクの脇に置いて、短いタイムボックスの作業に入るときの「目の前の一行」をBB-15に載せておき、終わったらぱっと消す。リズムを整える相棒として扱いやすい。
三機種を並べて使うと、体感差ははっきり出る。まずBB-18M-S2Aは「質感の自由度」。薄く柔らかく、紙のスタックに重ねたり、ファイルに忍ばせたり、貼って視界に置いたりと、配置の自由さが思考の流れに効く。筆圧が線に素直に乗るので、手書きのニュアンスがそのまま短文の強弱として残る。高速に走るペン先でも引っ掛かりが少なく、端から端まで均一に筆致が出る。次にBB-17は「場面対応力」。片手で持ちつつ書く前提で組み立てられていて、立ち状態でも破綻しない。盤面が一回り大きいぶん、情報を一枚にまとめやすい。フレームの安心感から、ペンを強めに当てても線が暴れない。最後にBB-15は「日常定着力」。取り回しの良さと操作の単純さで、机上の第二の付箋として機能する。書いて消すの反復がストレスなく、文脈の短いメモの蓄積と更新に向く。
書き心地の差分も印象的だ。BB-18M-S2Aはペン先が滑り、低荷重でも線が立つ。繊細なストロークが得意で、数字や記号の密集を書いても潰れにくい。筆圧のグラデーションが素直なので、チェックマークや下線の強弱で重要度を視覚的に区別しやすい。BB-17はストロークが安定し、等速で引いた線の直進性が高い。図形のラフ、矩形の当たり、フローチャートの矢印が、スルッと引ける。BB-15は少しねっとりした当たりがあるぶん、短文の可読性が上がる。止めやハネが適度に残り、語尾が丸まりすぎない。どの機種も筆圧で線の太さが変わるが、力の乗せ方に対する応答のキャラクターがそれぞれ異なる。
消去の体験も機種ごとの色がある。BB-18M-S2Aはワンタッチの軽さが目立つ。スタイラス側で手元を崩さず、視線を盤面に置いたまま次に移れる。BB-17のERASEは角のアクセスがよく、片手持ちでも指が自然に届く。勢いよく消して書き直す往復が速い。BB-15は操作が素直で、机上で置いたままの消去が手癖になじむ。いずれも消去に伴うストレスは小さいが、動線や姿勢の違いで快適さの方向性が分かれる。
携帯と設置の自由度はBB-18M-S2Aが抜けている。薄い本体は書類と同じ扱いで持ち出せて、ポーチやクリアファイルに差し込んでも厚みの主張がない。スリーブの色分けで案件を切り替える運用をしてみると、机上の整理が目に見えて楽になり、見落としが減る。BB-17は片手で持つ前提に最適化されており、移動しながらの利用や現場で立ったままのメモに強い。BB-15は定位置に置いて、必要なときに手を伸ばす道具というポジションがしっくり来る。
視認性は、文字密度と用途に応じて選び分けができる。BB-18M-S2Aは細身の線で情報を詰めても読みづらくなりにくい。箇条やチェック、記号が混ざるメモに向き、目視のスキャンが速い。BB-17は広さが助けになり、一画面に図とテキストを並べても破綻しない。視界内で関係性が保たれるため、アイディア出しに良い。BB-15は短文中心の運用で視線の移動量が小さく、手元に置いたときの即読性が高い。
耐久の体感は、扱い方で印象が変わる。BB-18M-S2Aは柔らかさゆえのしなりがあるが、重ねて保管できる設計で、カバンに入れても角が立たない。スリーブ運用をすると擦れから守られ、紙と同様に扱える。BB-17は剛性があり、屋外や現場でも心配が少ない。多少ラフに扱っても書き味が変わらず、道具として信頼が置ける。BB-15は日常使用に最適化されていて、机上常駐の相棒として安定している。
実際に三機種を切り替えながらレビュー記事の下書きを進めると、使い分けの最適解が見えてくる。構成案のブロック分けや項目の洗い出しはBB-17に任せ、全体像を紙面に描く。細い修正やチェックの入れ替え、原稿の短文メモはBB-18M-S2Aで手早く更新する。タスクの進捗や取材時の要点メモはBB-15が机の脇で受け止める。最終的に「どれが一番良いか」ではなく、「どれをどんな場面で使うか」が体の中で決まっていく。体感できる差は確実にある。盤面の広さ、質感、消去の動線、携帯性、視認性のバランスが、仕事のリズムを変える。
BB-18M-S2Aを選ぶ理由は、紙の延長としての気楽さと、色分けスリーブによる案件管理のしやすさだ。書き味の軽快さは思考の速度に追従し、消去のワンタッチは試行錯誤を加速する。BB-17の魅力は場を選ばない強さ。立って書く、片手で持つ、広めの盤面に情報を広げる——この一連の動作を気負いなくこなせる。BB-15は生活導線の中に置く実用性。手を伸ばせばそこにあり、短いメモを受け止めては消し、次へ進める。
結論として、紙感覚でワークフローへ溶け込みたいならBB-18M-S2A、立ち回りを含めた多用途での一枚運用ならBB-17、机上の定番メモ相棒ならBB-15が気持ちよくハマる。三者三様の個性が被らないため、用途がはっきりしている人ほど選びやすい。私は原稿制作の「走り」をBB-18M-S2Aに任せることが増え、構図の整理はBB-17、日々の小メモはBB-15といった棲み分けに落ち着いた。手元の癖に素直に寄り添う道具は、作業の質を静かに底上げしてくれる。ブギーボードの進化は派手ではないが、触ると確かに仕事の速さが変わる——その違いは、毎日の積み重ねの中で手応えとして残る。
まとめ
ブギーボード ペーパリー スターターセット BB-18M-S2Aは、薄さと柔らかさを生かした使い心地が抜群で、仕事机の金属面に貼って朝のタスクを走り書き→帰り際に一括消し、という流れが自然に習慣化しました。数枚を重ねて色分けし、案件ごとに「今日の一枚」を前面に出すと、頭の中がすっと整う感覚があり、紙より軽快でアプリより直感的、という絶妙な立ち位置が魅力です。筆圧のニュアンスが素直に乗るので、急ぎメモでも後から読み返しやすく、撮影保存もワンアクションで済ませられるため、アイデアの粒度を保ったまま次工程へ繋げやすいのが気に入りました。BB-17はサイズ感が日常メモに最適で、冷蔵庫やスチール棚まわりに常設して家族共有の伝言・買い物メモにとても便利。道具感がほどよく、書いて消すという原点の楽しさがある一台です。BB-15は携帯性が高く、デスク脇のちょっとした計算や撮影禁止の現場での下書きに重宝しましたが、私の用途では「重ねて整理」「貼って使う」運用ができるBB-18M-S2Aの快適さが決め手になりました。総評は、使い方の幅と整理のしやすさでBB-18M-S2Aが最上位、次点は普段使いの安定感でBB-17、軽快な持ち歩き用途でBB-15。ベストチョイスはBB-18M-S2A。複数枚運用と貼り付けの即応性が、仕事の前後でメモが自然に循環する体験を後押ししてくれます。
引用
https://www.kingjim.co.jp/sp/boogieboard/bb18.html
https://www.kingjim.co.jp/sp/boogieboard/bb17.html
https://www.kingjim.co.jp/sp/boogieboard/bb15.html
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